Archive for 12月, 2011
プラハ、街めぐりあれこれ
土曜日, 12月 31st, 2011クリスマスにかけて、チェコのプラハへ旅行に行ってきました。ベルリンからプラハまではバスで4時間、往復で約6千円ほど。ドイツは隣接している国が9ヶ国もあるのです!鉄道料金は高いので、バスか飛行機が移動に便利です。
ボヘミア王国の首都だったプラハ。中世の雰囲気が今も漂うその街は、隣の国とはいえ、なんだか時空を越えて遠い遠いところへ迷い込んだような気分になります。
旧市庁舎からの眺めに息を飲みました。よくこの街を作ったなぁ〜〜〜よく残っているなぁ〜〜〜と感心するばかり。赤茶色の屋根から出た煙突からは、白い湯気がゆらゆらと出ていて、そこに住む人達の生活が見えるような気がします。居心地の良いリビングにある暖炉に火があって、薪がパチパチ音をたてているのかな、と想像。世界遺産であるこの街に、今も実際に市民の暮らしが生きているということこそに感動します。たくさん見える窓のひとつひとつの中に、人がいて、その人達には家族がいて、歴史があって、今があって、未来があって・・・と考えると、ちょっと圧倒されてしまう。
街を歩きながら、たくさんの素敵なものを見つけました。細くてくねくねした石畳の道は迷子になってこそ、その醍醐味を楽しめるというもの。時間も忘れて、街歩きを楽しみました。ジャンルも混ぜこぜですが、駆け足で写真と共に巡ることにします。
綺麗な話ではないので申し訳ないのですが、ひとつ感心したことがコチラ。観光の街ならではのアイデアです。
クリスマスマーケットでは、ベルリンでは見ないような屋台もたくさん出ていました。
小さな街なので主要なエリアはほとんど歩けてしまいますが、プラハ城をぐるりと回るトラムに乗って、車窓からの眺めをゆったりと楽しむのもおすすめです。
国民劇場でのバレエ観賞とプラハ城については、また機会を改めてじっくりとご紹介させていただきますね!
クッキーフェイス
水曜日, 12月 28th, 2011クリスマス前、今月の18日にUmspannwerk Kreuzberg にて、ローカルのデザイナーやアーティストがブースを並べるマーケットが開かれました。ちょっとしたオリジナルの小物を探すにはピッタリ、さらに私の好きなシンガーソングライターPhiaが今年最後のライブがこのイベントのステージだというメールが届いたのもあって、小雨が降る中会場へ向かいます。
近くの雑貨屋さんでは、お客さんに無料でホットアップルサイダーとカラメルナッツ(ローストしたアーモンドにスパイスを効かせたカラメルをからめたもの)をふるまっていました。冷えた体に染み渡る美味しさ、とってもありがたい。アップルサイダーにラム酒を入れてもらったmiso氏の頬は、みるみるうちにほんのり赤く染まり、冷たい雨の中陽気な風貌に:)
こういう対面式のマーケットは雰囲気だけでも楽しいし、実際に作り手と会話ができるので、そのモノをどんな人が作ったのかが見えるのがいいと思う。たとえ同じものでも、セレクトショップに並んでいたらもしかするともっと無機質なものに見えるんじゃないかな。会話を交わし、作り手が直接私に渡してくれることで、双方の心が入る気がします。
かわいいもの発見!ジンジャーブレッドクッキーが色んな顔に。ちゃんと手作りで焼かれたクッキーなので、いい香りがぷんぷん漂ってます♥
この後に合流する予定のオランダ人の友人にそっくりなクッキーを見つけたので、プレゼントすることに。miso氏に似たクッキーもお土産に購入。(←数日後、私が完食してしまい、気づいたらmiso氏本人はひとカケラも食べずじまい、という結果となりました。ごめんなさい!)
どうでしょう?似てるでしょ?!つぶらな瞳の感じとか・・・
オランダ人の友人カップルとは、ベルリンに来る前からmiso氏も連絡を取り合っていたので、今回一緒にお互いの文化やデザインについて話ができて、充実の交流となりました。日本のことについて彼らから質問された時、即座に答えられなかった私たち。自分の国のことをもっともっと勉強しなくちゃいけない、と2人して痛感したのでした。
色んな国の人と出会い、ボーダーなく色んな話ができるのはベルリンというフラットな街に住む醍醐味の一つ。知的好奇心が活発に働いた面白い1日でした。
天使がやってきた
月曜日, 12月 19th, 2011先週、主人がベルリンにやってきました。(=miso氏)
先月末に誕生日を迎えた私にプレゼントを持ってきてくれたのですが、これにまつわる話がとても素敵で鳥肌が立ちました。まずはこちらをご参照下さい→『奇跡の話〜天使〜』この話を聞いて、すごいなぁ、こんなことが起こるんだなぁと驚き、人との巡り合わせの不思議さと力強さを感じていました。
箱を開けると、どこかで見覚えのある彫刻。そう、洋司さんの天使。この作品についての背景を知っていることで、私にとってとても意味あるものに見え、見えない力を持っているような気がしました。miso氏のブログ記事を読んでくださった方には、すでにこの天使に出会うまでの道のりがかなり奇跡的だったことだとおわかりなっていただけたと思います。でも、この奇跡にはさらに続きがあったのです。
川添洋司さんの個展で、主人はその巡り合わせの感動に心を動かされ、ある1体の天使に惹かれて、私へのプレゼントにすることを決めたそうです。すると、洋司さんはこの作品をきちんと手渡したいとおっしゃってくださり、後日主人は洋司さんのお宅にお邪魔させていただくことになりました。夕食をごちそうになっている時に、洋司さんが「ところで、なんでこの作品を購入したの?」と主人に尋ねたので、「ベルリンにいる妻に届けようと思いまして」と答えました。すると、洋司さんが「えーーー!!!!!」と驚きます。(洋司さんは私がベルリンにいることはご存知です)「実は、この天使は”ベルリン天使の詩”という映画にインスピレーションを受けて作ったんだよ!そして、この天使がきっかけになって、天使を作り始めて、今回の天使展を開くことになったんだよ」と興奮して説明してくださったそうです。主人はこの偶然の重なりに、ビックリを通り越して、こわくなったと言います。主人が手にとった天使が、偶然にも、洋司さんの天使シリーズ最初の作品でした。
私の元にやってきた天使は、こうしてみんなの想いをのせて、みんなを取り巻くご縁を巡って、誕生のきっかけとなったベルリンの街に舞い戻ってきたというわけです。
人との出会いはまさに一期一会。その言葉は茶の湯に由来していて、”茶会に臨む時は、その機会を一生に一度のものと心得、一瞬一瞬を大切にし、互いに誠意をもってもてなしましょう”というもの。そんな姿勢を心がけている人のもとに、天使は人とのご縁というお金では買えない宝をもたらしてくれるのかもしれません。窓辺から、天使が私のベルリンでの模索の日々を見守ってくれているのならば、よりいっそう背筋を伸ばし、私もそういう人でありたいと思うのです。今の幸せは、これまでの出会いや周りの人との繋がりがあってこそのものだということを、改めて感じさせてくれました。
これはきっと運命。待ちに待った30代の幕開けにふさわしいインパクトをもたらしてくれました。
天使を日本から運んできてくれた主人に、心から感謝です。
Boxhagenerplatz のマーケット
水曜日, 12月 14th, 2011毎週日曜は、Boxhagenerplatzという広場でアンティークマーケットが開かれています。芝生の広場をぐるっと囲んで、家具、食器、レコード、本、アクセサリーなどのお店が並びます。
日本では、ちょっとお洒落なインテリア雑貨のお店に高価な値段がついて売られていそうな食器類も、このマーケットでは格安で手に入ります。しかも、値切るとけっこう簡単に値引いてくれる!有名なMauerparkのマーケットは、もっと規模が大きく、観光客も多いので、元の値段もここより高いように感じます。ここのマーケットは地元ッ子御用達という感じでこじんまりとしていて、とても見やすい。
先週末は、水色の水玉模様の陶器のポット8EURを4EURに値切り、このオルゴール付きの缶3EURを1EURにしてもらいました。大満足♪
Boxhagenerplatzの周辺は、素敵なカフェや可愛い雑貨屋さんなども多いので、マーケットを見た後にカフェで休憩して、辺りを散策、なんていうのんびりした日曜がおすすめ:)家具はさすがに今は買わないけど、日本に帰る時が来たらコンテナごと船便で送りたいなぁ、と企んでいます。。。
『Das Hotel』
土曜日, 12月 10th, 2011『Das Hotel』 (= The Hotel) はクロイツベルクにあるバー/ビストロ。先週末、アスタとお茶していたら『今からホテル行こう!』と言うので、へ!?って(笑)
私はお酒に強くないけれど、バーは好きです。クラブは好きじゃないです。お酒好きではなくても雰囲気を楽しめるバーがベルリンにはたくさんあります。コーヒーを飲んでる人もいるし。意気込んで飾っているわけではなく、程よく力が抜けてる感じが居心地良くて、ついつい長居してしまう。『Das Hotel』もその一つ。古い建物はそれだけで味がありますよね。
ガールズトークで盛り上がっていると、楽器を抱えた男性が2人入ってきました。どうやら生演奏が始まるようです。時々ライブがあるそうで、それを知らず衝動的にやってきた私たちはとてもラッキーな気分に♪
アメリカ人の彼らによるジャズライブ。他のお客さんは、音楽をバックグラウンドにしながらおしゃべりを続けていたけど、私たちは彼らに釘付けでした。生演奏をBGMにするには、私たちはまだまだヒヨっ子のベルリナーです。
ビール1杯のお代、2.5EURでジャズの生演奏まで楽しんでしまいました。帰り際、おじさんにそっと2EURコインを手渡したら、満面の笑みで”Thank you”をくれました。日本だったら、200円をもらってそんなに無邪気な笑顔を返してくれるミュージシャンって少ないんだろうなぁ。素敵なバーで、素敵な友と、素敵な音楽、そして素敵な笑顔。良い夜を作ってくれて、ありがとう。
ロマンチックカウボーイ
土曜日, 12月 10th, 2011クリスマスマーケット
水曜日, 12月 7th, 201111月の終わり頃から街のあちこちにクリスマスマーケットが開かれています。地域に根付いた素朴な雰囲気のものから、主要観光地エリアにあるきらびやかでゴージャスなものまで。これからクリスマスにかけて、色んなマーケットに出かけるつもりなので、一つずつ紹介していきますね。
こちらは、プレンツラウアーべルグにある”Kulturbrauerei(カルチャー醸造所)”で開かれているクリスマスマーケットの様子。引っ越しする前の家の近くで、スーパーに買い物に行く度にこのマーケットを通り抜けていくのです。寄り道しちゃってなかなかスーパーにたどり着けな〜い!ここのマーケットはこじんまりとしたアットホームな雰囲気です。
長時間外にいると足先が冷えてくるので、クリスマスマーケットを楽しむにはとにかく防寒対策が大事。寒い、でも楽しい、楽しい、でも寒い・・・そんな時はGlühwein(グリューワイン=ホットワイン)を飲みながらマーケットを見て回るのが一番ですね:)
クリスマスマーケット特集、お楽しみに!
Mr.Reinerと小包騒動
水曜日, 12月 7th, 2011先日の誕生日に向けて、親友とmiso氏がプレゼントをサプライズの相乗り便でこちらに送ってくれたという。送ったのが11月15日だったそうですが、いつまで経っても荷物到着の連絡がないことを心配になったmiso氏から連絡が入りました。誕生日当日は、引っ越しも重なってる。追跡してみると18日には『お届け済み』という表示になっていました。私の手元には届いてないのにお届け済み!?荷物は一体どこに?!
ドイツでは、届け先が留守の場合は近所の人が受け取りにサインをして荷物を預かり、”○○さんに預けたので取りに行って下さい”というメモをポストマンが不在届けとして残します。今回は、そのメモも残っていなかったので荷物の存在を知る余地もなかったのです。他人がサインするんだからサインする意味ないじゃん!と思わず突っ込みたくなりますが。
追跡番号と日本に残っている送り状のinvoiceをスキャンしたものを郵便局に持っていき、調べてもらったけど荷物の行方はわからないと言う。クリスマスシーズンなので、贈り物の箱を抱えた人達で郵便局はごった返しています。そんな浮き足立った雰囲気の中で、心配顔の私はひとり灰色の空気をまとっていたに違いない(笑)窓口のおばさんは英語も通じないので、郵便局が提携しているDHLの電話番号が書いてあるカードを私に渡すと、”Viel Glück!”(=グッドラック)の一言を残すと次の人のところへ行ってしまいました。
DHLに電話をするも、自動応答マシンが指示してくるプロセスのしょっぱなからドイツ語が聞き取れましぇーん。顔や口の動きが見えない電話の場合は余計に聞き取るのが難しい。はやる気持ちを押さえて、翌日クラスメイトのドイツ人の彼女にお願いして電話をしてもらうと、Mr.Reinerという人がサインをして受け取ったことが判明しました!
でも、Mr.Reinerって一体誰??引っ越し前に住んでいた建物に行き、インターホンの表札を見ると確かにReinerと書いてあるボタンがあるけれど、ドイツのアパートは、インターホンには名前だけの記載で何号室か書いてないので、何階の何号室に住んでるのか全くわかりません。ドアに表札をつけている人も少ないので、またもやチャレンジ。同じ棟のドアを片っ端からノックするしかない。私が住んでいたのは1階。2階の2軒は、預かってないという。3階の2軒のうち、1軒は、ステテコ姿の太ったおじさんが私の顔を見るなり怪訝な顔で、”Ich weiß nicht.” (=I don’t know.)。3階はどこも留守、4階も違う。さすがに1階の人の荷物を5階の家に預けないだろうと思ったけど、5階にあがると、なんとドアにReinerの文字!他に2つの名字も一緒に書いてあるから3人でシェアしているのでしょう。ドキドキしながら呼び鈴を鳴らしたけど留守でした。
Mr.Reinerの居場所を突き止めたことで、ちょっと気持ちに余裕ができて探偵気分に。荷物を受け取る瞬間まであと少しだ〜。お金で買い直せるものならまだしも、親友とmiso氏の気持ちがこもっている、お金で買えない大事なもの。
その日の夜、再度電車に乗って前の家に向かいます。頭の中でMr.Reinerのイメージは出来上がっている。体格の良い、厳格な感じ、白髪まじりの口髭がダンディなドイツ人の中年おじさん。Mr.Reinerはきっとそんな人だ。5階、そのドアの前で耳を澄ませると物音が聞こえる!Mr.Reinerがいるぞ!高鳴る胸。呼び鈴を鳴らすと、中から”ヘイ〜〜〜!!”という妙にフレンドリーな女の子の声。ん??ドアが開くと同時に20代半ばくらいのブロンドガールが勢いよく出てきた。どうやら友達が遊びに来る予定だったみたいで、私の呼び鈴を友達だと思ったらしい(笑)『私の荷物を預かってくれてると思うんだけど?』と言うと、「あ、これね!」と下駄箱の上に置いてあった箱を手渡してくれた。Mr.Reinerのフラットメイトですね。
思い込みって恐ろしい。口髭をはやした中年のおじさんが出てくると勝手に思い込んでたから、ブロンドガールの気軽さに肩すかしをくらった気分。なんで2週間も荷物を取りにこなかったんだ?って逆に怒られるかもしれないから、不在届けが入っていなかったことを説明できるように練習をしていったのに。身分証明ができるようにパスポートも持って行ったのに。追跡番号と送り状のinvoiceのコピーまで持って行ったのに。もしまた不在だった時のために、ドイツ語の先生に書いてもらったこの上なく丁寧な手紙まで用意して行ったのに。『はい、これね〜!チュ〜ス!(=bye bye!)』で済んだ・・・
大事に抱えて家に帰り、封を開けるとこんな顔が。
ひと騒動だったけど、大変な思いをして手に入れたこの誕生日プレゼントの一件は、一生忘れられません。親友とmiso氏に感謝。
Milk Tea Sky
火曜日, 12月 6th, 2011雨があがったので用事を済ませに外に出ると、こんな空。雨雲がまだ去りきってなくて2層になってる。
子供の頃、好きなパスタ屋さんがありました。そのパスタ屋さんに行くと必ずみんな頼むのがミルクティ。母が『ここのミルクティが美味しいんだよ』と頼んでくれて、初めて飲んだ時は衝撃が走ったほど(笑)上に牛乳、下が紅茶という層になったミルクティは、ぽってりとした青いグラスに入っていました。子供だった私は、なんで牛乳と紅茶が混ざらずに2層になっているのか、不思議で不思議で不思議でたまらず、その2つが混ざらないように飲もうと、いつも口をすぼませて慎重にすすっていたのを覚えています。紅茶の糖度を高くしているからって今ならわかるけど、あの頃は、青いグラスに入ったその飲み物が特別なものに思えて仕方がなかったなぁ。
大好きだったあのミルクティを思い出す空でした。