Archive for 1月, 2012

Bleibtreu Hotel

月曜日, 1月 30th, 2012

バスタブのないアパートに住んでいる私の”お風呂に入って体の芯から温まりたい”という願いを汲んでもらって、主人のベルリン滞在中、気分転換も兼ねてホテルに1泊。選んだのは、西ベルリンのシャーロッテンブルグ地区にある『Bleibtreu Hotel』です。きらびやかなショッピングストリートKurfürstendammに近い割にとても静かで落ち着いたエリア。

高架下の本屋さんが有名なSavignyplatz駅で降り、小さくて個性的なお店が立ち並ぶ雰囲気の良い街並を歩くこと10分弱。素敵な花屋さんとデリが併設されたブティックホテルです。

ホテルのフロントは、デリと花屋さんの間を抜けて、少し奥まったところにあります

黒板の吊り方が、ありそうでなかった感じがします

ホテルの部屋に初めて足を踏み入れる時、すごくワクワクしますよね♪ ここの部屋はどんなでしょう〜。

優しい雰囲気の落ち着いた雰囲気

Herbert Jacob Weinand氏というベルリンのデザイナーが内装から家具までのデザインを手がけています。よく見ると、キャビネットの取っ手、椅子、ランプ、引き戸についた車輪、窓のブランドのスマートな構造など、細部にまで渡ってこだわりのあるデザインが見られます。個性が見えるといってもエキセントリックではなく、自然に部屋に馴染んでいるのが素敵。主張し過ぎるデザインは、押し付けがましくて逆効果、ということも多い気がしますから。あくまでも寝る部屋としての穏やかな雰囲気の中に、さりげなくこだわりを配置しているところが好感度大。こじんまりしたサイズ感も、”量より質”という感じがして良かったです。

枕の上には本が置いてありました。bedtime story(=寝る前の読書)を用意していてくれるなんてすごく嬉しい。一緒に置いてあった紙を読んでみると、どうやら『Bleibtreu Hotel』では2009年9月から”LiteraturRaum”というプロジェクトを行っているようです。作家さんにホテルの一室を提供して、滞在している間に作家活動をしてもらい、作品を出版するというもの。そして、彼らが書いた本を枕元に用意してくれているのです。ユニークで面白いプロジェクトですよね。しかも、その本は持って帰ることができます。ドイツ語の勉強中なので、ちびちび読むのにちょうどよいです。ちょっと堅めの内容だったので、どれくらいページが進むかは疑問ですが・・・

さらにもう一つ、胸キュン要素。ベッドサイドのテーブルに青りんごが置かれているのが写真でわかりますか?リンゴの下に敷かれた紙には、こう書かれています。”An apple a day keeps the doctor away(=1日1個のリンゴで医者いらず)、日本でも聞く有名なことわざですね。ドイツでは色んなリンゴが採れるようで、スーパーにもたくさんの種類が並んでいますから、街でもどこでもみんなリンゴをかじっています。

これまた赤い普通のリンゴじゃなくて、青リンゴだから部屋に合ってて可愛い〜

ちょっとした気遣いや遊び心が、そこここに見えて、小さな部屋なのに嬉しい発見が多かったです。お風呂はカラフルなタイル張り。ウェブサイトに紹介されていたのはブルー系のタイルだったのですが、これはこれで可愛い。久しぶりにゆっくーり入らせていただきました。毎日湯船につかれる、って日本では当たり前だけど幸せなことなんです。

翌朝はホテルのビュッフェで朝食を。とても美味しくて、お腹はいっぱいなのに目はずーっと食べていたい!のんびりといただくホテルの朝食って、すごく豊かな気分になりますね。”たまに”だからこそ、もちろんその効果があるのでしょうけど:)


同じベルリン市内でも、私の普段の行動範囲は東側なので、たまに西側で過ごすのも見える景色や雰囲気が違って楽しい。良い気分転換になりました。そして、何より、やっぱりお風呂っていい!!

本屋の地下で・・・

日曜日, 1月 29th, 2012

クロイツベルク地区にある英語の古本屋『Another Country』。内装にも味のある、素敵な場所です。そんな本屋さんに、金曜の夜9時になると、ちらりほらりと人が集まってきます。さて、一体なんのためでしょう?

・・・正解は、ディナーです。

入り口で5ユーロを払うと1枚大きなプレートを手渡されます。ここで、さらに5ユーロを渡すと、色んな種類が揃うワインの中からボトルを1本選ぶこともできます。地下につながる階段をくだると、そこには手作りディナーのビュッフェが用意されているのです!パンもチーズももちろん食べ放題。メニューは毎週違います。友達の家に遊びに来たかのようなアットホームな雰囲気。一人で行っても誰かしらいるでしょう〜、という感じで、みんなラフに集まってテーブルを共にしたりします。私は友人と一緒に行ったのですが、彼らの友人も約束はしていなかったけどちょうど来ていたので大きなテーブルで一緒に食べました。

素朴で美味しいディナーを食べながら、和気あいあいと色んな話で盛り上がりました

10時になると、英語の映画上映が始まります。といっても、みんなまだご飯の途中なのでアナウンスしてもらっても動く人は少なかったです。ディナーだけでなく、毎週”Game night”というのもありますよ。

食べる、しゃべる、食べる、しゃべる・・・

本屋の地下で食事・・・さすがベルリン、なんでもありですね!

◆Another Country  >> http://www.anothercountry.de/

じっくりスタート

火曜日, 1月 24th, 2012

どどーーん!
この魚、ご存知ですか?

沼津のトロール漁で水揚げされた『げほう』という深海魚。それにしても不思議な形。横顔が外国人みたいでしょ??こんなに鼻高くて、おちょぼ口で、餌食べにくそうですよね・・・

実は、年が明けてからというもの、不思議なくらい色んなことが重なって起こり、予定外の一時帰国をしています。そんなこんなでバタバタしていて、更新が長いことできませんでした。今は実家のある静岡は沼津に滞在中。真っ白に雪をまとった富士山を毎朝拝み、新鮮な魚介が毎日食卓に並び、海岸に散歩に行けば潮の香りと波の音、家族の有り難みや地元の温かさをたくさん感じています。

実家は魚屋であり寿司屋であり、昔から漁港と深い繋がりがあります。沼津港は、私にとって故郷の大切な風景の一つ。内陸部のベルリンで、喉から手が出るほど食べたかった新鮮な魚達が、もう嫌という程、食卓にてんこ盛りで並ぶ様子を見ながら、”実家だなぁ”とつくづく感じています。

ここで、少しだけお国自慢。沼津は、あまり観光では知られていない土地かもしれませんが、本当に素晴らしき場所です。温暖な気候、海・川・山がすぐ近くにあり、自然の恵みという美味しい食べ物が豊富にあり、水道をひねれば富士山の湧き水、温泉があり、伊豆や箱根にも近く、近隣には素敵な美術館もたくさんあるので、休日を楽しむには事欠かきません。この土地を離れている時間が長くなればなるほど、この街の魅力が面白いほどによく見えてくるんです。子供の頃、当たり前だと思っていたことは、沼津→カナダ→東京→アメリカ→東京→京都→ベルリンという動きを経て、美しいもの、貴重なもの、に変わりました。ここ数年、地元へのいとおしさや有り難みが強く、強くなっています。

というわけで、兄が「はい、みやげ」と私に手渡した袋には、まるでヘルメットをかぶってるみたいな『げほう』。その土地によって漁師さんがつけた呼び名があるので、げほう君の本名は知りません(笑)この地域で呼んでいる”あだ名”しか知らない魚がけっこうあるんです。翌日、ぶつ切りにして、鍋にしました。こんな強面の見た目ですが、げほう君は、繊細できめ細やかな白身で全くクセもなく、ふわりとしていて美味しかったです。「はい、みやげ」と、びゅんびゅん動いている生きた海老を渡されることもあります。新鮮は新鮮なんですけど~、新鮮過ぎて、けっこうワイルドな食卓。

ベルリンに戻るまでの間、こちらのブログでは、書きたかったけど時間が追いつかなかったベルリンでの出来事、プラハとイスタンブールへの旅のこと、そして日本での出来事を綴らせていただこうと思っています。記事ごとに時空があちこちに飛んでしまって読みにくいかと思いますが、自分の好きなものや気になるもの、感銘を受けるものというのは、土地が変われど恐らく共通点があるものだと思うので、それを当面のテーマということに・・・(強引ではありますが><)

ベルリン情報を楽しみに読んでくださっていた読者の方、ベルリンに戻り次第、ベルリン生活のレポートに戻りますのでお許しあれ。

地震はこわいけども・・・
やはり美しき我がニッポン。