Archive for the ‘人’ Category
カリンバ・ガールと以心伝心
月曜日, 12月 5th, 2011家の近くを散歩していた時に、あるカフェの前で目に入ったポスター。ベルリンは毎日どこかで何かが起こっていて、街中のポスター、駅のプラットフォームに貼られたポスター、お店に置いてあるDMなどは良い情報源。ポスターとカフェの雰囲気が良さげだったので、夕飯を食べた後にフラリとこのポスターのライブに行ってみました。
ライブは無料だし、カフェで飲み物すら頼まない人もいるみたいだったけど、途中でカゴがまわってきてドネーションという形でアーティストに敬意を払います。でも実際カゴの中は2EURのコインばかりで5EURのお札がかろうじてちらほらという感じ。みんなどこまでお金使わない主義なんだ?!
今回のライブのメインはオーストラリア出身の女性シンガーソングライター Coby Grantだったのだけど、彼女の前座としてパフォーマンスをしたPhiaという同じくオーストラリアのメルボルン出身の女の子がとても素敵でした。カリンバというアフリカの楽器を手に持って演奏しながら、足下ではループマシンのペダルを操り、自分の声やカリンバの演奏、手拍子、口で作る音を、絶妙にループさせ、その音をバックグランドに歌を歌うのです。すごくクリエイティブで聞き入るというより見入っちゃう。彼女の曲はCDより断然ライブの方がおすすめですね!声も曲も可愛かった。
ワールドワイドにCDをリリースしているCobyの歌声は芯があってぶれなくて、伸びやかだし、ステージトークも慣れた感じなので、経験の差は明らかだったけど、個人的にはPhiaの方が断然好み。彼女が7月にメルボルンからベルリンに引っ越してくる直前に作ったという曲は、歌詞が自分が日本を出る時の気持ちになんとなく似ていて共感できました。
◆Phiaの演奏している様子はYoutubeで見られます。足下が映っていないのでループのペダルを踏んでるのがわからないけれど、雰囲気は伝わるかなぁ?
http://www.youtube.com/watch?
http://www.youtube.com/watch?
・・・ちょっと面白い裏話。たまにこのブログに登場してくる友人アスタが、先週別の友達と見に行ったライブが良くて、私がきっと気に入ると思うから今度一緒に行きたいと言っていました。私は私で、Phiaのライブを見ながらアスタのことを思い浮かべ、きっとアスタはこのライブを気に入るだろうと思って、彼女にPhiaのライブのことをメールをしました。そしたらなんと、アスタが私を連れていきたいと言っていたのはまさにPhiaのライブのことだったのです!なんという偶然!ベルリンでは毎日そこらじゅうでライブがあるのに、どんぴしゃで同じアーティストを見ながらお互いがお互いのことを思い浮かべていたなんて。なんだか嬉しい以心伝心なのでした:)
前がちゃんと見えるように
日曜日, 12月 4th, 2011髪をバッサリ切りました。
”バッサリ”といっても、すでにショートだったのだけど、耳を出して前髪は1cmくらいのベリーショート。冬は首まわりがモコモコする格好が多いから、顔周りをスッキリさせたいと、お願いしました。
日本人のミユキさんという素敵な方がご自宅の一室をサロンにしていらっしゃいます。とてもピースフルな空間。なかなか日本語を使う機会がないので、落ち着いた相づちをしてくださるミユキさんを相手に、ここぞとばかりしゃべり倒してしまいました。聞き上手な方を見習いたいものです。やっぱり、日本人同士の独特の”間”って心地良い。
ここのところ、小さなことだけどストレスフルな出来事が重なっていたので、ちょっと凹み気味でした。髪を切って気分転換、そしてミユキさんとお話をして、少しの時間にたくさんパワーをいただきました。感謝、感謝です。
手仕事
土曜日, 11月 5th, 2011今日はぐっと気温が下がり、急に空気がシャープになりました。
冬は、ぬくぬくとした室内で手を動かすのが楽しい季節ですね。私は、編み物は好きでこれまでも手作りニットを楽しんでいたのですが、今回は初めてかぎ編みに挑戦です。アイスランド/フランス人の友人アスタがいつも色んなスタイルのストールを巻いていて素敵だなぁと思っていたら、どれも自分で作ったものだと聞いてビックリ。お母さんから習ったそうです。ということで、早速一緒に毛糸を買いに行き、基本のパターンを教えてもらいました。
初めての鍵編みは、慣れるまでは変なところに力が入ってしまって指がつりそうになったけど、アスタの忍耐強い教えのおかげで(苦笑)なんとかぎこちなくもできるようになりました。そして一度自分のものにしてしまえばもうこっちのもの!
何も考えず、もくもくと手を動かしていると、ふと我に返った時にはだいぶ進んでいます。素敵なスカーフやマフラーは、星の数ほど売っているけど、完成までの過程の楽しさはお金では買えません。プライスレスなJOY!それに、手を動かすことは、まるでセラピーみたいに心を穏やかにする効果があるような気がします。完成が楽しみ♪
手作りといえば、私の親友は手作り名人。素敵なハッピーアイテムが次々と生まれています。
辛いことがあっても、凹むことがあっても、結局最後にはいつも大笑いして、いろーんなことを乗り越えてきた彼女と私。どこにいても、どんなに離れていても、彼女の手作りの小物たちは私を元気づけてくれるのです。手作りのものには、そんな見えないパワーがありますね。心強く、ありがたき存在です。
ユニークな暮らし方
火曜日, 11月 1st, 2011先週の土曜、友人のハウスパーティに招待してもらったのでワインとチョコレートを手土産に行ってきました。友人はオランダ人のカップルで、彼は家具や内装のデザイナー、彼女は写真家です。彼らは、最近うちの近所のコミュニティハウスに引っ越してきて、今年はそのコミュニティハウスの20周年記念の年なのだそう。
この”コミュニティハウス”の暮らし方がとても興味深く、面白いので紹介しますね。コミュニティハウスとは、アパート全体を数家族で共有する暮らし。ドイツでは珍しくない暮らし方らしいのですが、日本ではなかなかないコンセプト。1軒家を3〜4人で共有するシェアハウスとはまた違う感覚、アパートの建物全体をシェアしているのです。上下階に行ったり来たりと大きな家のよう。
古いアパートの1棟でこのプロジェクトが始まったのは20年前—ちょうどベルリンの壁が崩壊し、西側から東側に若者が流れてきた頃の話です。家賃もないし、オーナーもいない空き家だらけだった東側で、人々が自由に建物を占拠して住み始めた頃。当時はこのアパートも廃墟に近く、屋根もなかったので、アーティストや駆け出しのデザイナー達が自分たちで少しずつ改装を進めていったそうです。アパートの階段の壁には、改装の過程の写真やその後のコミュニティハウスの歩みが展示されていました。大人も子供も一緒になって住民みんなで屋根の上でピクニックしていたり、夏には大きなコンテナに水を貯めてプールにして水浴びをしていたり、写真から”ワクワク”が伝わってきます。
現在このアパートには20人ほどが一緒に住んでいて、その中には子供連れの家族もいます。各自もちろんプライベートの部屋があるのですが、例えば、アパートの各階にリビングルームがあり、どこのリビングルームも自由に使うことができるのです。2階にはカフェテリアがあり、1ヶ月に1度、夕飯を作る当番が回ってくるそう。朝食と昼食はそれぞれでとりますが夕食は大体この食堂で当番の人が作った夕飯を食べるのだそうです。ところどころに遊び心が見え隠れする内装は、程よい力の抜け加減が素敵でした。
まずは、いつも彼らが夕食をとっているダイニングでみんなで食事をしました。
しばらくすると、このアパートに住んでいる子がギターを弾きながら歌を披露してくれました。
デュオをつとめるシャイな彼女。リズムをとるために二人が目を合わせる時の彼女のナイーブな目が愛らしかったなぁ。ふと彼女のタイツが電線してるのを発見。そして、そのタイツの電線を見た瞬間に、彼女がより魅力的に見えました。急に親近感が湧いたというか。私にとって、ベルリンがこんなに心地いいのはそんな理由かもしれません。電線したタイツは、ロンドンや東京やニューヨークには似合わない気がするから。
友人は二人ともフリーランサーなので、普段一人で仕事をしています。下手したら、1日中パソコンに向かっていることも。だから、こういう家で暮らすことを選んだそう。さらに、ベルリンという新しい土地で生活を始めた彼らにとって、この暮らしは出会いの宝庫。他の家族が夕食に友人を招いたりするので、自分の行動範囲だけでは知り得ない人との出会いがあり、人脈が広がり、しいてはそれが仕事に繋がっていくこともよくあるのだそうです。
4階にはリビングのロフト部分にライブラリースペースがあり、バルコニーで本を読むこともできます。その上の階には、多目的ルームがあって、ヨガをやったり合気道をしたり、子供の遊び場になったりしているそうです。
そして、なんと地下にはバー/クラブがあるんです!!このクラブは普通にビジネスとして運営されていて、20代前半の若者向けというよりは、少し落ち着いた感じで楽しめる雰囲気です。
みんなフレンドリーで、建物いっぱいに温かい雰囲気が溢れていました。他の家族と暮らしを共有するので、入居の際には厳しい審査があり、入居前に何度かみんなと一緒にご飯を食べたりして交流を深め、住民の合意のもと、入居が認められるそうです。
こういう暮らし方は、性格によって向き不向きがあるとは思うけれど、人間関係が希薄になりがちな最近の社会の中で、これから注目されていくのではないかと思います。送信ボタンをクリックするだけでコミュニケーションが取れる時代だけど、だからこそ、彼らの暮らし方がとても希有なものに見え、私にとっては衝撃でした。日本では、そんなのめんどくさいって思う方が大多数なんだろうなぁ。
0時になると、20周年記念のケーキが運ばれてきました!
石畳の上を自転車でガタガタ走って帰宅したものの、胸がいっぱいでなかなか寝付けませんでした。彼らが偶然近所に引っ越してきてすごく嬉しい!素敵な人達と出会い、素敵な時間を過ごすことができました。招待してくれた友人に感謝です。
Moritzplatzの菜園
日曜日, 10月 23rd, 20119月末のことになってしまうのですが、Moritzplatz(モーリッツプラッツ)という駅のすぐ近くに、色んな人が野菜を共同栽培している菜園があります。私の、ベルリンでの貴重な日本人の友人が日本の野菜や大葉などのハーブをそのガーデンで栽培しているというので見に行きました。彼女は、一人でケータリングの仕事をしていて、ホームパーティやビジネスランチ、オープニングパーティなどに、日本食をベースにした食事を提供しています。この菜園で採れた野菜やハーブをケータリングの料理に使っているそうです。優しい雰囲気から似つかぬ、心たくましい人。とても素敵な人。会う度に刺激を受け、いいエネルギーをもらっています。
ガーデンの中には、色んなところにテーブルと椅子が置かれていて、みんな自由に思い思いの時間を過ごしています。この時の服装は半袖ですが、今は最高気温が10℃以下なのですっかり分厚いコートにマフラー&ニット帽。
一人2個のライムをもらって、カットします。そして、果汁を絞って、適量の三温糖を混ぜ合わせ、最後に炭酸水を加えて完成〜。
自分で作ると、余計に美味しく感じるのが不思議。
ベルリンは、お金を使わずに楽しめることがたくさんたくさんあるのが魅力の一つ。休日にのんびりこんなガーデンで読書をしたり、友達とおしゃべりしたり。穏やかで幸せな場所です。
壁公園で冬支度
月曜日, 10月 17th, 2011我が家から歩いて10分程のところに、Mauerpark(=壁公園)という、ベルリンの壁が公園の敷地内を貫いている広大な公園があるのですが、そこで毎週日曜日に大規模なフリーマーケットが開かれています。
洋服、靴、アクセサリー、CDやレコード、食器、家具、アート、自転車、子供用品、生活雑貨など、本当にありとあらゆるものが所狭しと並んでいます。さらには色んな食べ物の屋台が出るのでフリーマーケットというよりちょっとしたフェスティバル。
今日は友人と一緒に足を運んでみました。私のお目当てはブーツ。現地調達を基本に荷造りをし、スーツケーツ一つで日本を発ったので、かさばるものは日本から持参してこなかったのです。でもだんだんと寒くなってきて、やっぱりブーツが必要に。リーズナブルでコンディションのいいブーツを探します。その前に腹ごしらえ〜。
なんとも美味しそうで思わず二人とも立ち止まってしまいました。”strudel”という、初めて食べる食べ物なのですが、辞書で調べてもよくわかりません・・・。友人はカボチャ、私は地中海風をチョイス。結果はというと、感動するほど美味しかった!見た目はラザニアに似てるけど、しいて言うなれば、クレープに具が巻かれている感じ。
友人は4ユーロのシンプルなジャケット、6ユーロのイヤリング、2ユーロの指輪、そして手編みのニット帽を購入。私も自分のサイズにぴったりのシンプルな黒いブーツを格安で購入することができました。フリーマーケットはリサイクルという意味でも価格という意味でも、とてもフレンドリー◎ 良い買い物をした後はなんとも清々しい気分です!
フリーマーケットの後は、散歩がてらカスタニエン通りをてくてく。『Kauh Dich Glücklich』で休憩することにしました。
二人でシェアしてちょうどいい大きなワッフルですが、クリームとストロベリーソースを添えても、EUR3.2。ストロベリーソースはイチゴの実と酸味が残っていてフレッシュな味わい。ほのかにシナモンが香る優しい甘さのワッフルはもっちもちで、甘みなしのクリームは濃厚過ぎず、さっぱり過ぎず、ストロベリーソースとパーフェクトタッグ♥
友人はクラスメイトで、アイスランド人とフランス人のハーフ。ドイツ語のコースが始まった2週間前は、まだ誰も知らないので常にみんな一緒に団体行動を取っていたけれど、2週間経つとだんだん気の合う人がわかってきます。もちろんお互い英語で話をしますが、波が合う合わないっていうのは、言語よりも、フィーリングの方がずっと大事だと思います。価値観の共有はもちろんですが、ユーモアのセンスの共有も重要な要素。同じものを見て聞いて一緒に笑えるかどうかって私にとってはすごく大きい。国や言語、生まれ育った環境や今まで歩んできた人生が全く違くても、自然と引き寄せ合う人がどの国にも必ずいるものです。
「今はまだ自分の未来がよくわからなくても、積極的に動き続けて、頭に理想の自分のイメージを描き続けていれば、いつか全てが繋がって、然るべき場所にストンとしっくり収まる時が来るよね」とお互いそんな話。そして、色んな人に出会うことで、彼らが新しい扉を開けてくれるということも。現に、私はベルリンに来たことで今まで未知の世界だったアイスランドのことを彼女を通して知ることになり、彼女にとって、私は初めての日本人の友達となったのです。
これから出会うだろう人達、これから起こるだろう事を思うと、楽しみでぞくぞくします。
とても有意義な日曜の午後に心から感謝。