Archive for 2月, 2011

品質主義

水曜日, 2月 23rd, 2011

現場の帰りにふと立ち寄った尾道の商店街に、かなり熱いバイヤーの人に出会いました。センター商店街の中程に構える彼のセレクトショップは、こだわりすぎのセレクトアイテムがいっぱい。
彼は服の品質にこだわるあまり、服のメンテナンスが気になり、
洗剤の品質にこだわり始め、最後は洗い流す水まで気になると、、、彼の店には、彼の目利きによる服から洗剤、はたまた水、生活品まで扱うこだわり満載のセレクトアイテムが並びます。
そんなこだわり100%のバイヤーの接客は、やけにリアルで説得力がありました。
彼は語ります、『ネット全盛の世の中やかこそ、人が見えた接客をせなあかんのじゃけー!』
人と人とのアナログなコミュニケーションによって、その人の好み、体型、用途、また季節、流行、を把握してお客さんに始めて商品を勧められる。それには、まず勧める側がその商品の本質からメンテナンス、はたまたそ先にあるお客さんの生活までを見えておかなければいけないと。そういう意味で、本当の接客ができる人間が減ってきたと、、
モノの本質を見る、知ることの重要性。そのモノの先にあるメンテナンスまで考え抜かれたこだわり。
内装の設計、家具の設計においてもすごく重要なことだと思います。
僕もmisoとしての品質(こだわり)を構築して、その空間を体験する人まで考え抜かれた空間を設計していきたいです。
尾道に行かれた際は、是非商店街を歩き、店の前に洗剤を置いてある服屋に立ち寄って見て下さい。

Happy Valentine

水曜日, 2月 16th, 2011

このチョコ、めっちゃかわいくないですか。
男心をかなりくすぐります。

Lucie Rie

日曜日, 2月 13th, 2011

今日が最終日のルーシー・リー展に行ってきました。最終日とあって、長蛇の列。こんなにたくさんの人を魅了できるって素敵なことです。いつも思いますが、アーティストってすごくピュアな存在で、自分の表現のみがすべての職業。それだけにその人柄や考えや生き方がそのまま作品に反映される。作品を通してその人の生き様を見るような、、、人生イコール作品。すごくストイックで難しい仕事ですよね、、でも感動を与えるのが仕事ってこんなすごい事はないです。

彼女が作る陶器、素晴らしいです。手に取って感触を味わえないのが残念ですが、このお皿にこれを入れたらかわいいだろうなとか、このセットで朝ご飯食べてみたいとか、、建築のオブジェなどにも合う、生活に密接してるシンプルな陶器でし
た。作品風景を上映してるスクリーンの中の彼女は、陶器を作るのが大好きなおばあちゃんで、釜に上半身つっこみながら、足抑えてー!!って叫びながら、焼き上がった陶器をなんともいえない笑顔で見つめる姿が印象的でした。独自の暗号と速記で人生を懸けて色の発色の試験をノートでまとめていた彼女ですら、仕上がりは計算50%、残りの50%は、自然にまかせるという。毎回、釜から出来上がってくる度に発見というより、驚き!とうれしそうに語る彼女の素敵な笑顔がそのまま作品に表れている陶器でした。

flat

火曜日, 2月 8th, 2011

今から、約14年前、アメリカはコロラド州のデンバーという街で僕は建大さんという人に出会いました。人を惹き付ける力とまとめる人柄にその当時からたくさんの人が国籍関係なく彼の周りには集まっていました。その彼が、昨年、地元の福井市でflatという場を立ち上げました。たくさんの人の協力といろいろな想いが詰まったカフェであり、学校であり、ギャラリーであり、、なんでもありな、、本当に暖かい素敵な場所です。

僕は、昨日、やっとオープンしてからお邪魔することができました。flat kitchenのカウンターで、地元の素材と食器にこだわったおいしいお昼ごはんを頂いていると、地元の若い漁師さんがお昼に入ってきて、マグロの中落ちをお裾分けで持ってきてくれる。そのお礼にて、先客から頂いたという九州のめんたいこをふるまう。こんな風景もまたflatらしい一面。人と人が損得ではなく思いやりで繋がってる、まさに彼が意図するフラットな場なのかなと感じました。

このflatには、たくさんの地元の人たちや、また県外、外国からの人が集まり、協力し合い、それぞれに人生について学ぶことやハッピーな事を想像するヒントをいっぱい与えてくれる場所だと思います。是非、福井へお越しになる際は訪ねてみて下さい。すごくおいしく、幸せな時間が過ごせます。

http://www.flat-fukui.tv/

人生初

日曜日, 2月 6th, 2011

私事ですが、本日、33回目の誕生日を迎えました。
今回の33回目の誕生日に際して、人生初の経験を2つも同じ日に体験しました。

まず京都に引っ越してきてから、念願であったお茶の稽古が、偶然にも今日が初日。自宅から徒歩圏内にある表千家は水月会の家元に入門いたしました。お茶には、随分前から興味はあったものの作法や知識などはまったくの皆無。懐紙に男用がある事や、扇子がいる(表千家、裏千家によっても種類や柄の規定があるそう)ことなども知らなかった自分は、まず最低限のお茶の席に出席できる道具をそろえて、いざ!!
初日の今日は、襖の開け方から始まり、お客としてお茶をいただく稽古。まー、、失敗の連続です。でも、一歩茶室に躙って入った瞬間からのあの凛とした空気感、緊迫間は、普段の生活では絶対に体験できない空間と時間。薄茶やお菓子のおいしさはもちろん、釜炉の炭が焼ける音や、お湯の沸く音に耳を傾け、流れるような所作を眺めるゆっくりした贅沢な時間。古から茶人は、この瞬間に無我の境地に達するそうです。この感覚と時間がお茶というもの醍醐味だと、谷崎潤一郎氏は語っておられました。これから、一人前の点前ができるようになるまで、どんどん失敗談を綴っていきます。

続いては、初のクラシックコンサート。京都市交響楽団による京都芸術センターで行われた第1回目のイベント。こじんまりとしたスペースで8人の奏者によって行われる一味違った身近なコンサートです。奏者までの距離が後ろの席で5mぐらいなので、楽器の音の空気の振動を感じながらの約2時間弱。なんといっても、これまた、たまたま、プログラムにハッピーバースデー変奏曲という、あの定番のバースデーソングを世界中の様々なジャンルの楽曲で繫げていくという、まさに今日、僕のためにあるような選曲。人生初でバースデーソングを生のクラシックで演奏してもらいました。

こんなボリューム満点な誕生日を迎え、もう今年の運を全部使い果たしてしまった感がありますが、出先好調、今年もいろいろ挑戦です。

節分

木曜日, 2月 3rd, 2011

京都の歳時記のひとつのである壬生寺の節分会にいってきました。平安時代から、900年間も厄を払い続けてくれてるなんて、そりゃ鬼もこんなかわいいパッケージにでもしてもらわなやってられんです。今夜は、おもいっきりマンションのベランダから豆まきです。

桂離宮

木曜日, 2月 3rd, 2011

やっと行ってきました桂離宮。
ウェブでは、常にむこう3ヶ月の予約は埋まってるので、直接、京都御所の宮内庁事務所で予約をこぎつけてのこの日。
まーいわずと知れた日本の美意識の極地。
何度も写真なども見てるし、正直、あまりにもいろいろな予備知識があるんで、
期待半分不安半分というところでした。
いざ、、その空間に足を踏み入れて、進むたびに、、、、ああああーーーー!!!

やられました!!期待裏切るなんてどころではなく、裏切られすぎて、え、え、?
もちろん庭や建築がずば抜けて美しいのですが、各所に散らばられてた遊び心と空間から空間へのアプローチのさせ方。
素晴らしすぎます。人の目線、歩幅、季節、自然を考慮した設計。そしてこれを維持、修繕していく職人さん達の技術、すべてが日本美の極地です。

なんとも粋なのが、この建物と庭園は月夜の夜に
楽しむように計画されているので、灯籠の位置や高さ、月の写り込みを考えられた池の配置、建物の角度、高さ、すべてにおいて日本人らしい細かな仕掛けや意匠がいっぱいです。
ここで実際に灯籠に火が灯されて、夜な夜な茶会が行われていたなんて、想像しただけで震えてきます、、、
是非、みなさんこの体験美を味わってください。四季を通して味わってみたいので、また桜が咲くころに行こうと思います。