Archive for 2月, 2012

道具

水曜日, 2月 29th, 2012

神戸にある大工道具の美術館にいってきました。
竹中工務店が設立した大工道具や大工仕事を展示している興味深い美術館です。
大工道具は、『道具の王様』と呼ばれぐらい、種類も多く、素晴らしい名工の
技術が詰まった、道具でありながら、それ自体もが工芸品のような美しさが
あります。

大工道具の標準編成は、179点の道具で構成され、最小限でも73点を
大工さんは毎日の仕事に合わせて、道具を選び、道具箱に収めて、仕事に
向かったそうです。すごいですよね、、。

そしてその道具で様々な構造物が作り上げられるのです。
実際に手に触れて、その繊細な継ぎの技術なども体験できます。
構造がディティールになり、見えないところにも美が存在する
日本の技術と美の真骨頂です。

その技術と構造と美の集結が建造物を生み出します。

インダストリアルデザイナーの栄久庵憲司さんは、
道具とは

『美によって具(そなえ)は道を得て道具となり
人は道具を得て その道を悟る』

ということをおっしゃっています。

道具という言葉は、『道』という孔子が伝えた天地にある価値を求める意義で
あり『具』という具体的にかたちになるものという意味が合わさった
中国にはない日本独自の言葉だそうです。

すごく哲学的ですよね、、でもモノを創り出すということにおいて
道具は命であり、その根源であるので、美しいモノを作り上げる道具も
必然と美しいモノになっていくんだと感じました。そして、その道具を
吟味して大事に使っていくことが、そのまま精神としてモノに伝わって
いくのだと思います。

僕も身の回りの道具を大事に見つめ直してみようと思います。

What is about design? part 2

土曜日, 2月 18th, 2012

前回、デザインについて語るというブログテーマの際、
何人かの方から好評をいただいたので、
2012年度版もやっちゃいます。

デザインとは?

これは、デザイナーと呼ばれる職種の方にとっては
命題のようなものです。
時にデザインが不用な時もあり(自然のそのままの姿の方が美しいなど)
逆にデザインがすごく重要なこともあります。

今回は、デザインというものが作用する素晴らしさについて。

妻が度々、僕の身の回りの使い古した衣類などにクロスステッチ
を施してくれます。
そこにデザインがひとつ加わります。

機械生産された既製品のモノが、世界にひとつだけのオリジナルに
生まれ変わります。

すると、そのなんでもなかった服などに急に愛着が湧いてきます。
長く大事に使っていきます。
季節ごとにどんどん新しい服を買うことが少なくなってきます。

その服を永く着たいので、あまり体型が変わらないように
健康的な食生活や運動を心がけるようになります。

たったひとつの小さなデザインが僕の生活を変えます。

これがデザインの素晴らしい作用だと思います。
”想い”があるデザインは、モノに命を与えます。
そしてデザインとは、
使い手の生活やそのデザインを通して見えてくる姿やその先まで
“想像/創造”できてこそデザインだと思います。

素晴らしい”想い”のデザインが生活に増えれれば、
もっと心地よい社会に変わっていくと思います。
このような時代だからこそできる”デザインの力”があると思います。

僕はそのデザインの力に期待しています。

Organic cotton

水曜日, 2月 15th, 2012

現在、参加しているプロジェクトの共同会社さんの
オーガニックコットンの工場見学をさせてもらうことになり、
先日、大阪の阪南の工場にお邪魔しました。

大正紡績というオーガニック繊維素材メーカーです。
大正紡績さんは、単にオーガニックな繊維を作り上げるだけではなくアパレルとの
商品開発や独自性のある商品販売も行っているすごい会社です。
例えば良く聞くところの45rpm、リーバイス、ISSEY MIYAKEなどの
アパレル企業も大正さんとのコラボレーションで商品が実現している
とのこと。
大変、お忙しい中、僕らのプロジェクトチームだけのために
ツアーを組んでくれました。ありがたいです。
(こうゆう仕事の特権です)

今回は、糸が出来上がるまでの工程順に工場を案内してもらいました。

まずは、原料となる綿の貯蔵庫です。世界各地の綿産地から輸入されています。
ひとつのブロックが約200kgだそうです、、綿に潰されます。すごい光景。
世界中の綿に囲まれいるのは、なんだか不思議な感じです。

原綿をほぐします。手作業で重さを計りながらコンベアーに原綿を投入して
いきます。ほぐしながらゴミなども取る工程です。

洗濯機のようにぐるぐる回します。

綿の繊維を平行に揃え、重ね合わした束を引き延ばします。
綿飴を伸ばすような感じ??かな


綺麗ですよね、、すごい柔らかいですんよ!!
この状態の繊維をスライバーというそうです。

そのスライバーを引き延ばして、撚(よ)りをかけて粗糸を作ります。

更に粗糸を引き延ばし(20倍に)、撚りをかけた上で糸の完成です。

必要量のチーズといわれる状態にして出荷準備です。ネーミングがかわいい。

綿の産地や種類によって、同じ綿でも全然違う色の糸ができあがるのです。
染色も糸の性質によって配色なども変わったり、本当に職人の経験と知識が
要するすごい技術生産です。

実際に、こうやってオーガニックコットンの生産を垣間見ると、
自分が身につけているものや、オーガニックコットンに対しての考え方が
全然変わりました。僕らのプロジェクトでも、このオーガニックコットンを
使った素晴らしい商品が生まれるはず!!今から楽しみです。

My 大阪 Birthday

火曜日, 2月 7th, 2012

Thanks everyone!!