Archive for 10月, 2010

What is about design?

水曜日, 10月 20th, 2010

今回は、初めて少しデザインについて語ります。
(たまにはデザインについて語れとの意見がありましたので)
語るといっても、僕みたいな若造が貧粗な知識や経験を拾い上げてデザインとは!
なんて50年早いし、いかにもなデザインの話しは諸先輩におまかせして、
もう少し個人的な目線でデザインという事に対して日々思うことを。

前にこんな事がありました。僕の父が京都への引っ越し祝いにとダイニングテーブルを作ってくれました。5種類の無垢材を継いで、鉄の脚で構成するテーブルの制作が始まったのですが、父が鉄を溶接して、塗装していく段階で、当初の予定の黒の塗料がなくなり、どうしようかなーーと思って、その近くにあった青の塗料を片足だけ塗ったのでした。なので、片足が黒脚、もう片方が青脚なんです。
僕だったら、例えば構想(設計)の段階で、黒ときめれば、例えば、途中で黒の塗料がなくなれば黒の塗料を買いにいき、予定どおり黒に塗ります。まさか、その近くにあった青を塗ろうなんて転換はしない。
ただ、彼は青を塗った。
めんどくさっかたのか、、眠れるセンスが目覚めたのか、、

そしていざ、納品されたテーブルを見ると、これがなんとも脚の色の違いと無垢材のそれぞれの材の色の違いとが不思議な調和をかもだしてるんです。
この偶然のアドリブが奇妙なくずし感を出していて、
んんー正直、いいなぁーと思いました。
デザインされてるようで、デザインされていない絶妙な所を攻めているんです。

僕にとってデザインの神様が宿る瞬間は、まさにこの事例のような、デザイナーが意図してできないデザイン領域に入った時のデザインだと思っています。
精密に計画的にできたものは、完成美や機能美として評価されるべきですが、
いきすぎると、デザインしました!!って主張が強すぎて拒絶反応を起こす、、
僕とってにいいデザインって、もっとデザイナーがどうにもできないところにもあるような気がします。 

じゃーデザインの仕事って?デザイナーって??なんなんやろーって考えます。

デザイナーが100%の思いとセンスと努力で作り上げるものを
80%のベースとして残りの20%の伸びしろを,
使い手が時間や思いを懸けて100%以上の良さが生まれる”味のあるモノ”を引き起こせることができるかが僕にとっての目指すべきデザインなのかなとー。
なかなか難しいですけどね、、

デザインって、いい使い手によって、どんどんいいモノになっていく、、
そのきっかけを与える仕事だと思います。 

JAPANESE TEA

火曜日, 10月 12th, 2010

香港から、クライアントが京都に遊びにやってきました。
たわらやの1本うどんを食べたり、祇園で京都懐石を堪能したりと僕にとっても久しぶりの京都観光です。

その中でもおもしろかったのは、
寺町の一保堂での宇治茶の試飲です。
宇治茶には、大きくわけて4部類のお茶に分かれます。
抹茶、玉露、煎茶、番茶です。そのすべてをいろいろな入れ方で試飲させてもらいました。
同じ茶葉でも、熱湯で入れる味、適温といわれる80度で入れ
る味、氷を使って、冷水でいれる味が違うのです。どう違うかというと、
例えば、煎茶は、少し甘みがあるのですが、もし少し苦みを強くしたいなら、
熱湯をそのまま急須に入れてる蒸らすと苦みが増し、逆に冷水だと甘みが強調されるんです。特に初めての経験の急須に茶葉をいれて、そのまま氷を急須に収まる分だけいれて、ひたすら氷がとけるのを待ちます。
この待ってる時間がまたなんともいいんです。どんな味なのか想像したり、ぼーとしたり、お茶についていろいろ聞いてみたり、味と時間を楽しむという感じです。ちょうど、氷がとける頃にほどよく茶葉の成分が抽出されたお茶が完成です。
(ちなみにお茶は、1番煎じの時に95パーセントのうまみ成分がでるんで、一番目に淹れた最後の1滴が一番おいしいお茶なんだそうです)
いざ、この冷水のお茶を試飲してみると、甘いことすっきりすること、、衝撃です。香港人の彼らも、普段飲んでいる中国茶との甘さやすっきりさの違いにびっくりしていました。

玉露は、100グラム6300円の高級茶葉を試飲させてもらいました。すごい海苔の味がしました。実際、海苔の味が強ければ強いほど玉露は高級ということになるそうです。

クライアントさんたちとも話していましたが、日々の生活の中で、ゆっくり丁寧にお茶を味わう時間ってすごい贅沢で重要なことだと。お茶は、味だけではなく、その淹れる工程や時間も楽しむものなんだなと改めて実感、、、お茶をひとつの芸術としてとらえる文化のある世界唯一の国の文化を香港という文化の違うフィルターを通して垣間見た貴重な時間でした。

籠の中にいると、籠の良さに気づかず、籠の外にでれば、籠の良さが見えてくる。
外国人の目線で外から見ることによって気づかされる日本の文化の素晴らしさ。
そういうことが多々あります。もっと、生まれ育った日本についていろいろと知りたいです。