Archive for 8月, 2014

奈良探訪

金曜日, 8月 29th, 2014

前から訪れて見たかった吉田五十八設計の大和文華館に
行ってまいりました。
ゆるやかなカーブのアプローチを登ると、
ぱっと青空が広がったと思うと
現れたのは、ん?お城?とも思わせる建物。
ナマコ壁(目地の漆喰をナマコのように盛り上げる)で有名な
一見ぎょっとするでデティールは、
なんだか雲のようにもこっとしていて
水平ラインを強調したプロポーションとも重なって、
空と同化しているような不思議な建物です。

これでしかなない!と決定したであろうバランス。。。
んんん。。絶妙ですね。

しかしナマコ壁とはよく名付けたものですね。。
近くで見るとすごい。おもわずすりすり触ってみたくなります。
緑の豆タイルとの色のコントラストが奇麗です。
巨大ナマコ目地に豆タイルの目地なしの目地コントラストも
魅力です。

これぞ日本の指物技術ですね。。すごすぎる。。

建物は、ゆるやかな丘の頂上に建っているので建物の裏側は
ピロティーになっています。ここから見る最古のダムが
あったとされる蛙股池をぼーっと眺めるのがお薦めです。

続いては、志賀直哉旧居へ。
志賀直哉さんが自身で設計をしていたとは知らなかったです。。
恐るべし多才の持ち主です。
数寄屋風作りの中に、当時の最先端の設備を設けながら
合理的な間取りや水回りが印象的です。
中でも、はっとさせられるが数寄屋作りの中に海外の洋館であるような
サンルームがあることです。

南面に面したサンルームは、天井にガラスをはめ込み(当時はポリカの波板)
スカイライトが温かく空間に光を取り込んでいます。

食堂室に隣接されたこのサンルームは、大きな縁側ともいえる
中間的な空間で、家族やゲストの団欒が頭に浮かび上がってくるそれは
それは素敵なサロン的な空間です。
細部や家具にもこだわりがあり、なんとも幸せいっぱいです。
思わずにやけながら、長居してしまいました。

大正、昭和という時代の偉人による建築を体験して
はたして平成の僕は何を作り出せることができるのか?
後ろから肩をぽんっと叩かれて、
『君もまだまだだねー』と言われている気分でした。
勉強させていただきました!!