編み物CLUB

『Couch Surfing』というソーシャルネットワーキングサイトをご存知でしょうか?

Couch=ソファ+Surfing=波乗り(サーフィン)。波乗りではなく、人の家のカウチを転々とするという意味です。Couch Surfingのメンバーになると、今まで考えられなかったような様々なことが可能になります。例えば、旅に出る時、メンバーの家に泊めてもらえるのです。ここで重要なのは、無償で、ということ。商業的な目的で使うことは禁止されていて、Couch Surfingを活用する一番の目的は、①人との出会い②ローカルの暮らしを知るということだと思います。サイト上で自分のことをできるだけ詳しく紹介したり、メンバー同士のお互いの印象や感想を掲載していったり、友達同士で、”この人はこんな人なので推薦します”などとコメントをUPしていくので、その人がどんな人なのかがわかるようになっています。

例えば、スペインのバルセロナに旅に出たいとします。バルセロナにいるCouch Surfingのメンバーを探して、その中で自分と趣味が合いそうな人を見つけて、カウチ(=宿泊)のリクエストを送ります。例えば、10日間の滞在のうち、はじめの3日間だけその人のうちに泊めてもらって、その後はホテルに泊まるなども。Couch Surfingは、新しい旅のスタイルというだけではなく、自分の住む街にいるメンバーが企画したイベントに参加したり、同じ趣味を持つ人同士がグループを形成して一緒に集まって楽しむのです。例えば、私の場合、フラットメイトと二人で暮らしているので、『寝る場所は提供できない』というチェックボックスにチェックを入れていて、私の家に宿泊リクエストが届くことはありませんが、街歩きに付き合ったり、お茶をしたりすることはウェルカムなのです。それに、随時、ベルリン内のメンバーで企画されたイベントがチェックできるので、面白そうだったら参加します。定期的なものだったり、その日限りのものだったり、内容は100にも1000にも!

体験したことのない方には、ちょっと怪しいサイトに聞こえるかもしれませんが、今まで問題が起こったことはないそう。特にベルリンのような都市には、他の国から来ている人達が多いので、新しい生活を築く際に、友達作りとして利用したり、情報交換に利用したりと、みんな楽しくヘルシーに、自由自在にCouch Surfingを活用しています。

友人がCouch Surfingで見つけた編み物クラブが毎週水曜の夜にあるので、先週初めて参加してきました。メンバーの家にみんなが食べ物を持ち寄って、和気あいあいと編み物/裁縫+おしゃべりを楽しんで、『じゃあまた来週ね〜』と思い思いの時間に帰っていく。会ったことのない人の家にお菓子を持って行き、初めて会う人たちと一緒に談笑しながら編み物や裁縫をする夜・・・よく考えるとちょっと不思議ですが、とても居心地のよい雰囲気ですぐに馴染めました。ベルリンを選んで住んでいる人達はどこか共通点があるような気がするんですよね。

ある人は、ケーキを丸型で焼いた時にそのまま持ち運べるような布の袋を作るのだと布を裁断していました。食べ物の持ち寄り会やホームパーティが多い海外ならではのアイデアですよね!私は、引き続き、鍵編みのストールを進めています。今は、1/3くらいのところ。

今回集まったのは10人程。みんな色んな理由でベルリンに来ていて、それぞれの話がとても面白かったです。

シアトル出身のアマラは、アメリカンなコーヒーケーキを焼いていて、部屋の中は幸せな香りがいっぱい!ウォールナッツたっぷり、香ばしいケーキでした。

おしゃべりしながらも手は動き続けて・・・

生物学者として研究室で働いていたけど、自然の中で働きたいと思ってガーデナーに転身した女の子もいました。今の時期は寒い中、落ち葉の回収に追われてものすごく大変なんだって。人工的なガーデニングには飽き飽きしていて、理想と現実のギャップは大きいと嘆いていました。自然の原理では、落ち葉が積もると、布団の代わりをしてくれて冬の間も土の中は温かさを保てるため、木の根が守られるようになっています。でも、見た目が綺麗じゃないからといって落ち葉を回収し、代わりに化学繊維でできた布のようなものをかぶせる、とか。自然のままの方が、本当は全てがうまく回って、しかも綺麗なのにねと話しました。

北米出身の人が多く、話が弾みました。英語も聞き慣れたアクセントだし、北米から来たっていうだけで勝手に親近感。

それぞれ得意なものが違うので、教え合ったり、完成したものを見せ合ったり。

みんな編み物だけじゃなくて、ベイキングもすごく上手!ドイツ語を日本語に直訳すると”タマネギケーキ”と呼ばれるキッシュのようなものや、ココアといちじくのパウンドケーキ、アップルパイなど。次回は私も何か作っていこう〜。

こうして、ベルリンでは気軽に色んな国の人と交流できる機会がたくさんあり、色んな生き方があるんだなぁと開眼する思いです。人と出会うことは、自分自身を発見することでもあるので、自分が本当に欲しいもの、自分の求める生き方が、これからさらに明確になっていくことでしょう。人に会うということは、エネルギーのいることです。だけど、大事なこと。ついつい腰が重くなってしまうこともあります。私もいつも自分の心と体と相談しながら、無理のない範囲で予定を組んでいます。

自分の目だけじゃ気づけないものや、自分の頭だけでは偏りがちな考えが、別の文化で育った人によって一瞬にして壊される時、私の考え方やコミュニケーションの引き出しが1つ増えるような気がします。他の人のフィルターを通して世界を見ることは、新しいドアを開くことでもありますよね。外側に対する目だけじゃなく、内側に対する目も養うことにもなって、自分自身を豊かにしてくれるような気がします。

Facebookをはじめ、インタ—ネット上で世界中の人とクリック一つで簡単に繋がることができる時代です。でも、そこに慢心するのではなく、それをきっかけにして、アナログな人間関係を築いていくということ、インターネット上の情報を見て、知ったつもりになるのではなく、それをきっかけに足を運んで自分で体験すること。”依存する”のではなく、”頼りにする”くらいの感じがちょうどいいのかもしれませんね。

2 Responses to “編み物CLUB”

  1. azumi Says:

    「腰が重い」なんてれいこの辞書にあった???

    素敵な出会いがいっぱいあるのね。
    また輝きを増したれいこに会うのが楽しみ☆

    寂しくなったりもしてるかな?
    そんなこと言ってられないぐらい忙しい?
    体には気をつけてね!

  2. Reiko Says:

    ありがとう〜。
    コニヲさんと離れてるのは寂しいけど、そうも言ってられないからね!
    ここにいる貴重な時間を大事に過ごして、日本に帰る日まで精一杯自分を磨きまーす。
    Azumiも体に気をつけて、素敵な冬を迎えてね。

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