トイレットペーパーとジュエリー

家の近くに、”KulturBrauerei”と呼ばれる施設があります。

日本語に訳すと、”カルチャー醸造所”。もともとは、1842年に始動し、ベルリンにおけるビール製造の要を担っていたビール工場。煉瓦造りの趣きある建物自体はそのままにカルチャー発信の場として今は再利用され、映画館やパブ、フォトスタジオなどがテナントとして入っています。そして、その中の一つの建物は『REWE』という大きなチェーンスーパーです。

大手チェーンスーパー『REWE(レヴェ)』

夕飯の買い出しついでにトイレットペーパーを補充するため(今回は私が買う番)『REWE』へ。

その帰り道に面白いギャラリーが目に止まりました。ジュエリーが壁に展示されていて、どうやら販売もしているようです。

ペインティングのギャラリーとつながっていて、中に入るとドイツ人の男性が奥で作業をしていました。ジュエリーの方のギャラリーを見せてほしいと言うと、「そっちは彼女のギャラリーだから今呼んでくるよ!」と。2、3分もしないうちに彼女が現れ、作品について説明をしてくれました。

 

本物のお札を使ったネックレスやブローチがあったので、そのコンセプトを聞いてみると 、”昔はジュエリーが貨幣代わりだったでしょ?”って。

様々な国の、価値の違うお札を折ってつなぎ合わせて一つのネックレスにすることで、世界の経済が繋がっていることを表しているそうです。お札を折って作られた繊細な形の鳥や蝶、複雑に折り重ねて作られたバングル、さらにはクレジットカードを細く細く切って輪っかにしたものを繋げてチェーンにしているものも。説明を聞いてから、顔を近づけて見てみると、Mastercardの”Mas”の部分がなんとなくわかりました。

◆Banknote Jewellery:http://tinederuysser.com/Site/Banknote_Jewellery.html

◆1分でできる紙の器:http://tinederuysser.com/Site/Previous_work.html#12

◆Folding:http://tinederuysser.com/Site/Folding.html

聖書の1ページを丸めたものを紙でできた糸に通して、真珠のネックレスのようにしているものもありました。1つの球が1ページだそう。ネックレスの糸に小さなコブがたくさんついていて、例えば聖書の5章内のページを丸めたものは、上から5個目のコブにくるようになっているなど、細かい部分にもこだわりが!さらに、そのページに書いてあることを1つの言葉に表現して、ネックレスを入れる箱に記しているのも素敵。

私たちが話をしていると、かわいい女の子がちょっかいを出してきました。娘さんだそうです。彼がペイントした女の子の絵の前でパチり。

お父さんが写真家だからカメラを向けられるのは慣れっ子なんだって。

予期せぬところで、思わぬ刺激を受けました。ギャラリーを出て、ふと我に返ると手にはトイレットペーパー(10ロール入り)。あーあ、生活感、丸出し!!

 

**GHYCZY Studio/Gallery : Knaackstrasse 96, 10435 Berlin

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