道具

神戸にある大工道具の美術館にいってきました。
竹中工務店が設立した大工道具や大工仕事を展示している興味深い美術館です。
大工道具は、『道具の王様』と呼ばれぐらい、種類も多く、素晴らしい名工の
技術が詰まった、道具でありながら、それ自体もが工芸品のような美しさが
あります。

大工道具の標準編成は、179点の道具で構成され、最小限でも73点を
大工さんは毎日の仕事に合わせて、道具を選び、道具箱に収めて、仕事に
向かったそうです。すごいですよね、、。

そしてその道具で様々な構造物が作り上げられるのです。
実際に手に触れて、その繊細な継ぎの技術なども体験できます。
構造がディティールになり、見えないところにも美が存在する
日本の技術と美の真骨頂です。

その技術と構造と美の集結が建造物を生み出します。

インダストリアルデザイナーの栄久庵憲司さんは、
道具とは

『美によって具(そなえ)は道を得て道具となり
人は道具を得て その道を悟る』

ということをおっしゃっています。

道具という言葉は、『道』という孔子が伝えた天地にある価値を求める意義で
あり『具』という具体的にかたちになるものという意味が合わさった
中国にはない日本独自の言葉だそうです。

すごく哲学的ですよね、、でもモノを創り出すということにおいて
道具は命であり、その根源であるので、美しいモノを作り上げる道具も
必然と美しいモノになっていくんだと感じました。そして、その道具を
吟味して大事に使っていくことが、そのまま精神としてモノに伝わって
いくのだと思います。

僕も身の回りの道具を大事に見つめ直してみようと思います。

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