木の価値

台風直撃の中、
奈良県の吉野山にある徳田銘木さんの工場に見学と
展示会場に使用する木材の選定に行ってきました。

桜で有名な日本で有数の林業地『吉野』の山中深くに黒滝村に
自然木3万本の在庫のある倉庫件、ショールームです。

銘木とは、
和風建築や数寄屋建築の重要な部分を構成する材料として使われる
高価で希少価値のある用材ですが、
はてさて、その値段が気になりますよね、、
形状、木目、材種、色など、誰が見てもこれは高価だろうな、、と
思いますが、はたさて、それがどのくらいの価値があって、安いのか
高いのか、、??

銘木と呼ばれるものには、決まった値段はないそうです。
木は、100万にもなれば1000万にもなるとのことです。
ある人がこれは、500万ぐらいだろうと思って、これはいくらですか?
と聞いて、これは100万です。と答えたら、その木とその人の価値基準を下げてしまうことになる。これは、500万ぐらいだろうと思って、1000万円ですと
言われれば、その木とその人の価値基準を上げるということになる。
だから、本当に購入する気がない僕が、ふとあの木はいくらですか?と聞いても
値段はないですと言われます。
それは、僕が、その木とちゃんと向かい合い、価値を与えていないから。
どうゆう意図で、どのような建物で、どのようにその木と歩んでいきたいのか、
その木は、本当にその人の価値基準にふさわしいのかで判断されます。
その木にその人が100万を高いと感じるか、1000万を安いと感じるか、、
すごい世界ですよね、、

僕は思います。
木というのは、生命です。
呼吸もします。歳もとります。伸縮もします。
木を購入するというのは、その木と今後向かい合う時間と
その木が今まで生きてきた時間を買うようなもの。
時間に値段はないと言われれば、納得ですよね。
僕にとって、1日の値段はいくらなのか?
この木にとって、何百年はいくらなのか?

もっともっと木について勉強して、経験を摘んで
”見る力”を養わなければ、本当の木の価値を見いだすことは
できないように思います。

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