手間

現場進行中の岡山のパン屋さんの施主家族と一緒に、
飛騨高山にある有名なパン屋さんへ視察を兼ねて一緒に行ってきました。
その帰り道に茅葺き屋根集落で有名な白川郷にも行ってきました。

写真などで見るよりも実際の建物はすごく大きく感じられて、
温かみのある素晴らしい建築でした。
そしてそこで生活が営まれているのがすごい事だなと思いました。
茅葺き屋根の家の一番好きなところは、
修繕工事や建て替えに村人みんなが集まってひとつの家を
みんなで作り上げることです。茅葺き屋根の家が温かみを感じるのは、
木組の構造や、茅の屋根の素材感だけではなく、
人の手と想いが詰まってるからだと思います。

場所は変わって、その岡山のパン屋さんの現場。
できることはなるべく自分達でと、施主や友人達やいろいろな人が集まって、
現在工事進行中です。
床の仕上げ工事や大きなカウンターをレンガで積んで組んでみたり、
もちろん塗装などもみんなで集まって行ってます。
もちろんプロのような完成度ではないですが、
茅葺き屋根のような温かみのある空間になればと願っています。
施主の人柄でたくさんの人が集まって作り出す空間は、
人の手がいっぱい詰まっている空間です。

僕は、そのような空間を”手間”と呼ぶようにしています。
人の手がかかればかかるほど、温かみのある”手間”がかかった空間
が生まれると思います。
お金をたくさんかけたからって、絶対いいお店ができるとは限りません。
案外、予算がない中でみんなで集まって、あーでもない、こーでもないと
試行錯誤しながら手間をかける方がいいお店ができたりすると思います。
お金をかけずに、手間をかける!
きっと、温かい素晴らしいお店になると思います。

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